テイト逆転V!家族4人でつかんだ栄光

2010年8月 4日 23:37

 「兵庫県オープン最終日」(4日、美奈木GC)

 2打差の2位で出た豪州出身のリチャード・テイト(38)=フリー=が、家族の応援を受けて7バーディー、ノーボギーの65で回り、通算12アンダーで初優勝した。初日首位の小田龍一(33)=Misumi=は69で回り、通算10アンダーの2位に終わった。アマチュアは初日トップの酒見俊之(39)=播磨=が通算1アンダーでベストアマを獲得した。

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 オーストラリア出身の苦労人が大輪の花を咲かせた。最終18番。約30センチのウイニングパットを沈めたテイトは両腕を天高く突き上げた。昨年の日本オープンを制した小田龍を逆転しての大会初優勝。「ツアーのシード選手に勝てたのは大きな自信になる」と声を上ずらせた。

 7バーディー、ノーボギーの完ぺきなゴルフだった。小田龍と最終組で競り合い、ともに通算10アンダーで迎えた12番パー3。小田龍が1打目をバンカーに入れてボギーとするのを尻目に、テイトは2・5メートルのスライスラインを沈めるバーディーで2打リードした。杉本周作と優勝争いした99年大会は1打差の2位に終わったが、今回はチャンスを逃さなかった。

 前日は妻・玉美さんと愛娘のヴィアンちゃん(8)がコースサイドから声援を送ったが、この日は長男・ショーン君(11)も塾の夏期講習を休んで応援に駆けつけた。「みんなの顔を見たら頑張ろうという気持ちになった。絶対に勝ちたかった」。家族4人でつかんだ栄冠でもあった。

 テイト一家をピンチが襲ったのは今年3月。宝塚市内のゴルフ場との所属契約が切れた。大きな収入源が断たれ、「とにかく自分が試合で頑張って稼ぐしかない」と腹を決めた。コースで練習できないため、毎日、自宅近くの練習場に通い、朝8時から夜6時までボールを打ち続けている。昼食もコンビニ弁当で済ませる。そのハングリーさが、6月のPGA主催のミニツアー優勝、そして今大会の優勝につながった。

 オーストラリア人の父と日本人の母を持つ。91年に来日し、94年に日本のプロテストに合格した。日本語はペラペラで和食が大好き。青い瞳と彫りの深い顔立ち以外は、どこをとっても日本人だ。「レギュラーツアーに定着することが一番の目標。早く家族を安心させたい。きょうの優勝はその大きな一歩になる」。賞金200万円の目録を手にした38歳が、言葉に力を込めた。

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