プロフィール

プロフィール写真  

● 性別
男性
● 都道府県
兵庫県

デイリースポーツがお届けする、プロレス・ボクシング・格闘技・etcの総合情報サイト「特選格闘技」スタッフの一人。神戸本社に勤務しており、関西での興行やイベント等には自ら足を運んで取材することも。ブログのタイトルは、プロレスの「ロープブレイク」と“ほっと一息”の「ブレイクタイム」を合わせたもの。ニュースの補足やちょっとした裏話まで、様々な話題を更新していきます。

タイガースマスク、大阪プロ退団決意「やり尽くした」

2014年2月10日 08:32

2014-0210-01.jpg

 関西マット界を代表するレスラー、"ミスター大阪プロレス"ことタイガースマスク選手。高い実力もさることながら、独特の発想力は他者の追随を許しません。大阪プロレスの生え抜き1号としてデビューしてから13年間、団体を象徴する選手として活躍してきましたが、2014年2月8日、自身の公式ブログで、4月20日付で退団することを電撃発表しました。

 大阪プロは本拠地・ナスキーホール梅田を4月いっぱいで閉鎖、活動を大幅に縮小することを発表したばかり。そんな中での主力選手の離脱は、団体の今後に大きな影響を及ぼすことは必至です。

 今回は退団発表の翌日に、タイガース選手を直撃インタビュー。退団を決意した理由、退団後のこと、そして3月29日に開催する"最後の自主興行"での対戦相手も明らかにしました。

 

◇    ◇

 

2014-0210-02.jpg


――退団を決断することに至った理由は。

 

 タイガース選手「退団を決めたのには色んな理由があるんですけど、まずお金の問題。自分は今、神奈川県に住んでいるんです。大阪プロとは契約はしましたが、交通費は支給されない。自宅との長距離の往復をしていれば、とてもじゃないが儲からない。ずっと赤字が続いてまして、貯金も尽きてしまったんです。金銭的に大阪プロを辞めざるを得なかった、これが第1です。

 第2に、大阪プロではやりがいを感じることができなくなった、ということ。特に会社から『コスチュームを昔の縦じまに戻せ』と指示されたのは大きかった。気持ちはわかるんです。タイガースマスクって、どう考えても阪神タイガースとタイガーマスクをミックスさせたキャラクター。なのに、ポスターとかを見せた時に"何でタイガースマスクは赤いの?"って言われるのは当然だと思うんですよ。でも、ここ5、6年好き勝手やらしてもらいましたけど、今さら縦じま着て、ああいうコト(コミカルな野球殺法)やれ、と言われても心が持たない。それならもう『どうぞ新しく、別のタイガースマスクを作ってくれ』という感じですよね。しょうもない話かもしれませんが、それが決定打になりました。」

 

――退団を決めたのはいつごろでしょうか。

 

 タイガース選手「ハッキリとは覚えていないですが、僕が再び縦じまコスチュームで試合をするようになった頃です。昨年の秋ごろでしょうか。恐らく会社側は、そのことで僕にそういう決断をさせた、ということも気づいていないと思うんです。そういうのにも我慢はできなかった。僕は今37歳。プロレスラーとしても後半戦に入っていると思うんです。そう考えた時に、やりがいを感じられない場所では、命をかけることは...とてもじゃないができないですよ。」

 

――関東移住を発表したのは昨年6月。少なくとも金銭面に関しては、こうなることは予測できたのでは。

 

 タイガース選手「その時は正直、何も考えてなかったですね。ただ今にして思えば、僕は関東に行くべきして行ったんじゃないかと。個人の選択で引っ越す引っ越さないのレベルではなく、大いなる意思というか、自分の歴史の中の一環として、向こうに行く運命だったと解釈しています。」

 

2014-0210-03.jpg

 

――大阪プロ退団後も、タイガースマスクというキャラクターは継続するのでしょうか。

 

 タイガース選手「キッパリ捨てようと思っています。元々、大阪プロのものですし。僕も大阪プロでデビューしてお世話になって、このタイガースマスクというキャラをやらせてもらったという恩がある。他の団体で勝手にこのキャラを使って、会社とケンカしたりしたくないですし。それにタイガースマスクというものは、僕にとってもう必要ではないと感じているんです。

 デビューした当時は、僕は『タイガースマスク』というものに凄く助けてもらったと思うんです。でも、ここ数年は、それが僕にとって"足かせ"にしかなっていないんですよね。僕が今やっていることは、タイガースマスクというものの枠を超えてしまっている。これ以上このキャラを続けていくのは、僕にとってマイナスにしかならないんじゃないかと。未練?全くないですね。タイガースマスクとしては全てをやり尽くしたと思っています。

 今回の退団は、言い方を変えれば『発展的な決裂』ですね。タイガースマスクという枠の中に納まってほしい団体と、その枠の中に納まりたくない僕。現状のままでは双方にメリットはない。こういう形になったのは自然な流れとも言えます。」

 

――現時点で、退団後のプランは。

 

 タイガース選手「会社に退団することを伝えた当時は、全くの白紙でした。でも今は会社にちゃんと話をして『契約が終了するまでは一所懸命にタイガースマスクをやりますけど、それと並行して就職活動させてもらいます』と宣言しているので。色んな団体さんに声は掛けさせてもらっています。

 ただ、道頓堀プロレス(大阪プロ離脱者が中心となって旗揚げした団体)のリングに上がることは絶対にないと思います。これから大阪プロを退団した選手が、道頓堀プロに参戦することがあるかもしれない。それに対してはそれぞれの考え方なので何も言うことはありません。ただ、僕個人の考え方として、僕は大阪プロで育ってきた人間。そこにケンカをふっかけるような形で旗揚げした団体には関わることはない。これは僕のケジメです。」

 

2014-0210-04.jpg

 

――当面はフリーとして活動するのか、それともどこかの団体の所属になることを考えているのでしょうか。

 

 タイガース選手「所属になることは現時点では考えていないです。もし所属になってくれと言ってくれる団体があれば別ですけど。今、どこどこの団体の所属になりたい、という思いは持っていないです。」

 

――デビューからずっと覆面レスラーとして活動してきましたが、退団後は。

 

 タイガース選手「団体のニーズによりけりですよね。マスクかぶってくれと言われればかぶります。団体のほうで用意してくれるならそのマスクをかぶりますし、自分で用意してくれと言われれば用意します。もちろん、素顔でやってくれと言うなら、そうすることも考えています。素顔になることへの抵抗?もちろんあります。でも、自分はデビューからずっと覆面レスラーだったので素顔で試合したことがないんです。全く知らない世界なので、そういうのもアリかも。」

 

2014-0210-05.jpg

 

――かつてマイクで「タイガースマスクがいる限り、大阪プロは不滅だ」とファンに訴えたこともありました。

 

 タイガース選手「僕が考える大阪プロと、今の会社が考えている大阪プロっていうのは、完全な別モノだと思ってますんで。僕からしたら、大阪プロは(創始者のスペル・)デルフィンさんが会社を売った時点で、一回死んでると思うんですよ。それでも、デルフィンさんの"流派"というか、みちのくプロレスから流れてきた血筋を守ってきた、最後の一人だと思っていたんで『僕がいる限り...』というのは、そいう意味での言葉だったんです。今の会社は、そういうことじゃないんだ、という解釈をしていると思いますよ。」

 

――大阪プロは本拠地会場の閉鎖を発表し、危機的状況にあります。タイガース選手の退団は大きな痛手になるのは確実です。

 

 タイガース選手「もし大阪プロの名前が消滅してしまう事態になれば寂しいですけど、結局は"何が大阪プロなんだ"ということだと思うんですよ。ただ大阪プロと名乗ってプロレスをしておけば大阪プロなのか。人それぞれだと思うんですけど、僕の気持ちの中では、今の大阪プロに大阪プロを感じることができません。」

 

――退団後、大阪プロのリングに上がる可能性は。

 

 タイガース選手「ないことはないですよ。ちゃんと交通費が出るなら(笑)。条件が合って、大阪プロが"どうしても来てくれ"というのであれば行くかもしれません。...でも、呼ばれることはないと思います。」


2014-0210-06.jpg

 

――大阪プロでの一番の思い出は。

 

 タイガース選手「やっぱり試合というよりも、大阪の和泉市に道場があって、合宿所があって、色んなメンバーがいて...というのが僕の中での大阪プロだった。あの頃の経験があるから頑張れるし、プライドもある。和田(秀作)さん、橘(隆志)さん...(大王)QUALLT(=瀬野優)さんもそうですし。やっぱりデルフィンさんがいない時点で、違う団体になってしまったと思いますね。」

 

――タイガースマスクであるうちに試合をしたい相手はいますか。

 

 タイガース選手「退団までの間に、タイガースマスクというキャラを"介錯"して欲しいんです。その相手を...HUBさん(元大阪プロのエース、現在はフリー)に頼みました。舞台も整えました。3月29日に、タイガースマスク最後の自主興行を行います。この大会のメーンはHUBさんと僕のシングルマッチです。

 大会のタイトルも決まっています。『的場プロレス最終戦~ラスト・オブ・タイガースマスク 涙よ虎になれ~』です。的場(真人)が考えてくれました。僕がプロレスを教わったのは、和田秀作さん、橘隆志さん、スペル・デメキンさんの3人なんです。その中で現役なのはデメキンさん...現在のHUBさんだけなんです。タイガースマスクを殺してくれるのはHUBさんだけしかいないと思っています。本人にも、僕の"介錯人"という言い方でオファーしています。介錯人・HUBさん、見届け人・的場真人という形になります。」

 

――そこで死んでしまったら、残りの一カ月は...。

 

 タイガース選手「まあまあ、そこは(笑)。腹割れたままで、輸血しながら戦いますよ(笑)。」

 

2014-0210-07.jpg

 

――最後に、ファンへメッセージをお願いします。

 

 タイガース選手「退団を発表して『勝手にやめるなんて、ファンの気持ちはどうするんですか』という方もいると思います。では『自分を殺して戦う私を見たいのか、本当に私がやりたいことを見たいのか、どっちですか』と逆に聞きたいですね。引退するわけでもないし、僕は新しいステージに向かっていますので。プロレスはあくまで運命の中のひとつ。僕の最高の表現手段ですけど、僕の全てではないんです。

 これから退団までの期間は"恩返し"のつもりで、自分を殺して、野球殺法を全力でやらせてもらいます。タイガースマスクであるうちは、会社がやって欲しいであろうタイガースマスクを一所懸命やりたいですね。」


2014-0210-08.jpg

 

◇    ◇


 自分の思いを包み隠すことなく、しっかりと質問に答えてくれたタイガース選手。直前に「出してもいいことだけを喋ってください」と念を押してのインタビューでしたが、話の中には書けないことも沢山ありました。そこのところは、どうかご理解いただければと思います。

 「僕より強いレスラーはいくらでもいますよ。でも、僕よりもプロレスが上手いレスラーってあんまりいないでしょ」。そう言ったタイガース選手の目に迷いはありませんでした。『タイガースマスク』というレスラーは、4月29日の大阪プロ15周年記念大会をもってひとまず消滅します。本人が引退してしまうわけではありませんが、できることなら...大阪で生まれ、育ち、愛された"ミスター大阪プロレス"の最後の雄姿を目に焼き付けるべく、多くの人に会場に足を運んでほしいと思います。

 

2014-0210-09.jpg

 

◇    ◇


 プロレス・ボクシング・格闘技 etc...の総合情報サイト「特選格闘技」の紹介ページは「http://www.daily.co.jp/ring/keitai/r2.shtml」。ブログへの感想・要望・質問・気になったこと・情報提供などなどありましたら「k-kakuto@daily.co.jp」にお願いします!